害虫まめ知識
シロアリの羽アリが飛ぶのは主に4月~9月ですが、建築物のなかでは年中活動してます。
シロアリは建物のわずかな隙間から侵入ますし、目に見えない場所から、あなたの知らない間に大切な建築物を食害します。
その進行は、時に数百万匹にもなり驚異的なスピードになります。
シロアリの被害
シロアリは雑食性で、驚異的な速度で食害していきます。 また、人目につかない土中などから侵入するため、気が付いた時には被害がかなり進んでいる事が大半です。
- 基礎・束石 シロアリは適度な湿度を保つため、土で蟻道と呼ばれるトンネルを作り侵入してきます。
- 基礎・束石 シロアリは地下から侵入してくる事が多いため、柱や土台の下部がまず被害にあいます。食害が進むと強度も落ちますので、大変危険です。
- 床板(畳下) 地中から侵入してきたシロアリは、床板を食い荒らし、その上の畳、家具類までも食害します。
- 壁内 シロアリは暗く温暖多湿な場所を好むため、壁内を食害しながら移動していきます。
- 天井部 食害が進むと壁内を通り抜け天井部にまで被害が及びます
- 末期状態 被害が進むと原型をとどめないほど食害されます。
シロアリの生態
シロアリはまず生活に必要な水と食物が手近に得られ、1年中特に冬期に比較的暖かい安全なところ、例えばフロ場、台所、洗面所、トイレ、コンクリートたたき下などに営巣します。
また、光・空気の動き(風)を嫌うので、暗くて人目につきにくいところで活動します。地中や建物の基礎コンクリート・束石などの表面に蟻道(アリの通路)を構築して往来します。
シロアリの一生
オス、メスは王、女王となり、交尾、産卵を繰り返します。
卵から孵った幼虫は雌雄両性ですが、成長するにつれて巣を作るの作業等を行う職蟻、外敵と戦う兵蟻に分化します。
巣が大きくなってくると生殖階級であるニンフ(羽アリの前段階)が発生し、羽アリとなり群飛します。
※羽を持たない職蟻から成長した生殖虫も存在します。
クロアリとシロアリの羽アリの区別
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クロアリ
- 触覚:「く」の字型
- 胴:はっきりとくびれている
- はね:前羽が後羽より大きい。
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シロアリ
- 触覚:じゅずのような形状
- 胴:くびれていない
- はね:4枚とも同じ大きさ。
生息地域
- ▮イエシロアリ
- ▮ヤマトシロアリ
- ▮アメリカカンザイ
地域はイエシロアリは四国・九州を中心に神奈川県周辺までの温暖な地域に生息しています。ヤマトシロアリは全国的に生息しています。
シロアリの種類
シロアリは社会生活を営み、毎年羽蟻が群飛(群れをなして飛ぶ)を行います。見た目はアリ類とよく似ていますがシロアリはゴキブリ目シロアリ科で、アリ類とは違い木材・枯木を食べます。
日本では住居を食い荒らすシロアリは、主に「イエシロアリ」「ヤマトシロアリ」の2種類でしたが、近年、アメリカカンザイシロアリなどの外来種も発見されています。
ヤマトシロアリ
乾燥に弱いので常に湿った木材や土中で生活している。
建物では土台や束石、大引、根太などの下部を水平に食害することが多い。
群飛4~5月に行なわれる。昼間に群飛するヤマトシロアリは走光性がないので電灯に集まることはない。
イエシロアリ
木材のほか生きた樹木(松、杉など)や畳、紙類、プラスティック、ゴム製品などを加害するためヤマトシロアリより被害が大きい。
群飛は6~7月の風のない温暖多湿な日の夕暮れから夜にかけて群飛し、走光性(光に集まる習性)がある。
群飛数は大きな巣で3~4万匹を超える。
アメリカカンザイ
7~9月の昼間群飛し、乾燥材のみを加害する。ヤマトシロアリやイエシロアリと違い、開けた穴から砂粒状のフンが落ちるのが特徴。
被害写真(特徴:砂粒状のフンが落ちる)
その他の害虫
シロアリ以外の家屋で発生する害虫を紹介します。
- コクヌスト
体長6~10mm
体は光沢の有る黒褐色
米穀の害虫として知られるが、 他の食品害虫を捕食しており、それらの発生を知る事が出来る。 - コクヌストモドキ
体長4~6mm
各節には微毛を粗生する。
小麦粉など穀粉に多く見られ、
成虫はよく飛翔するため原料から
製品まで混入しやすい。 - ヒラタキクイムシ
体長2.2~7mm
全体に黄褐色。微細毛を装う。
各種建築材や家具類、木工製品、
特にラワン材をよく食害する。 - ヒラタチャタテ
体長1~1.3mm
体は背面全体に暗褐色
かつおぶし、チーズ、チョコレート、キャラメル等の食品から
見出される。 - チビタケナガシンクイムシ
体長2.5から3.5mm
黒~黒褐色
竹材を食害し、
貯穀からも発見される。
- ヤマトシミ
体長8~9mm
銀白色の光沢がある
紙類を好み、糊を使用したもの、澱粉質の物をよく食害する。 - ゲジ
屋外の草原や林の中に生活しており、時には人家に侵入する。
その姿により非常に嫌われるが、直接的な被害はほとんど考えられない。 - ヤスデ
体長小型のものは2mm程度
大型のものは300mm 太さ10mmを超えるものもある。
体に臭線があり不快な分泌液を出す。
ムカデ類と混同されやすいが下表の通り相違点がある。 - オオムカデ
非常に攻撃的で不用意に触ると咬みつかれる。
夜間に人家に侵入する事が多い。
毒は酸性で咬まれると激しい痛みを覚え腫れがひどく
時にはリンパ腺炎を引き起こすこともある。
治療にはアンモニア、抗ヒスタミン剤をつけると良い。